理由はそのうち考える

まずやってみよう

CleanAgileを読んで基本に立ち戻る

Clean Agileを読んだので内容や感じたことなどをまとめる。

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序文にもあるが、概要としてはアジャイル開発とはなんなのか、その歴史・アジャイルのプラクティスなどがアンクルボブの視点で解説されたものである。アジャイルに関する書籍は幾多にも及ぶが、誕生の瞬間の話がここまで詳細に書かれているものは少ないのではないかと思う(自分の知る限りではない)。どういう経緯でスノーバードの会議が開かれたのか、興味のある方には特におすすめできる。

目次

気づいたことや感想など

ウォーターフォール

とある論文で紹介された、後にウォーターフォール呼ばれるプロセスだが認知のされ方が意外だった。もともとはその論文の後半で論破する予定であったが、図が論文の目立つところにあって、この図だけでその内容を推測する人が多く出てしまって著者の意図とは違う方向で認知されたというもの。この件が以降の30年間を支配したのだから、読んでいてゾッとしてしまった。

サークルオブライフ

XPのプラクティスを描いた3つのリングを持つ図。外側のリングにあるプラクティスは(当時の)スクラムプロセスに相当するというもの。不勉強なものでこの図については知らなかった。XP本は10年くらい前に読んだっきりだったので、プラクティスについてはざっとは知っている程度でしかなかった。当時の本には載ってなかった気がする(たぶん)。

XPについてはアンクルボブがとても推すので、改めて興味が湧き読んでみたいと思った。調べてみるとXP本の第二版も出ているみたい。

プロフェッショナルであること

今はあらゆるところにソフトウェアがある時代で、ソフトウェアが世界を支配しているといっても過言ではない。そのような世界でプログラマーが十分な品質を担保しているかと言うとどうか。ちょっとしたバグのせいで世界が大惨事になることもありうる。そのためプロフェッショナリズムがプログラマーには求められている。自分が誰で、何をするためにここにいて、何ができるのかをしっかりと認識することが重要だと思う。

ソフトウェアクラフトマンシップ

プロとしてのソフトウェア開発の水準を引き上げ、アジャイルの本来の目的を再構築するために、新しいムーブメントとして「ソフトウェアクラフトマンシップ」というマニフェストが2008年11月に生み出されたとのこと。当時の自分は社会人になって数年目くらいだったが、この流れは知らなかった。日本語でググった感じだと、10年くらい前の記事がいくつか見当たるくらいで、日本ではそこまで大きなものにはならなかったのだと思える(単に自分が知らなかっただけかもしれないが)。内容としてはアジャイルマニフェストをベースに、それだけではなくプロであるべきというマインドを促進させるようなものになっていて、個人的には忘れずに持っていたい気質であると感じた。

  • 動くソフトウェアだけでなく、精巧に作られたソフトウェア
  • 変化への対応だけでなく、着実な価値の付加
  • 個人との対話だけでなく、専門家のコミュニティ
  • 顧客との協調だけでなく、生産的なパートナーシップ

上記はClean Agileからの抜粋だが、原典はこちら。
Manifesto for Software Craftsmanship

動画も

訳者のお二人と平鍋さんによる、アンクルボブへのインタビュー動画もある。
こちらもとても良い内容(語彙)なので、必見。

An interview with Uncle Bob on "Clean Agile" - Celebration to the Japanese Editionagile-douga.tv